この研究は、正常運動精子における精子のパラメータ、DNA断片化、アポトーシスに対する携帯電話の影響を調べた。正常な精子サンプルをばく露群と対照群に分け、ばく露群を動作状態の携帯電話から約2.5 cmの位置に60分間、対照群は非動作状態の携帯電話に、それぞれ配置した。全てのサンプルを世界保健機関(WHO)のクライテリアに従い、精子の生存率、クロマチン異常のある精子、成熟した精子、DNA断片化、およびアポトーシスを調べた。その結果、ばく露群では対照群と比較して、生存率および運動性が有意に低かった(それぞれ、p < 0.001、P = 0.004)。アポトーシスを生じた精子およびDNA断片化の割合が有意に高かった(それぞれ、p = 0.031、p < 0.001)。精子の形態、クロマチン異常、成熟度といった、調査対象のその他のパラメータには有意差は認められなかった。携帯電話の電波はヒトの精子の生物学的特徴に悪影響を及ぼすことから、携帯電話をできるだけ骨盤から離すことが推奨される、と著者らは結論付けている。
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