[MR検査中の患者に誘導される高周波:リスク評価のための洞察] tech./dosim.

Induced radiofrequency fields in patients undergoing MR examinations: insights for risk assessment

掲載誌: Phys Med Biol 2021; 66 (18)

この研究は、磁気共鳴(MR)検査中の患者における高周波RF電界およびRF磁束密度の二乗平均値(B1+rms)を定量化すること、体内植込み型医療機器(インプラント)のある/ない患者に対するRF加熱のリスクについてのガイダンスを提示すること、ならびに、現行の国際安全規格(国際標準化機構(ISO)、国際電気標準会議(IEC)、ASTM(旧称:米国試験材料協会))の長所と短所について検討することを目的としている。1.5 Tおよび3 TでのMR検査中に誘導される電界およびB1+rmsを、2ポートの鳥かご型RFコイルに頭部から足元への画像撮影ランドマークにばく露した高分解能の患者モデル「ヴァーチャル・ポピュレーション」を用いた計算で推定すると共に、ASTMファントムで代用した。正常運転モードの限度での全てのMR検査について、最悪ケースとして3.5 µT(MR 1.5T)および2 µT(MR 3T)のB1+rmsばく露を考慮しなければならない。異なる診断シナリオの下での代表的な誘導電界および比吸収率SAR)分布を用いることで、高ばく露および低ばく露の臨床的要因についての迅速な推定が可能となる。その結果、B1シミングはインプラントに沿って電界を+6 dB強め得る。ASTMファントムでの誘導電界の強さの分布は臨床的ばく露とは異なり、一般的なインプラント位置に対して常に保守的とは限らなかった。患者モデルにおける電界分布は、ASTMファントムでの推定値を大幅に超過し得ることがあった。ASTM 2182規格の最近の19e2改定版では、ASTM検査条件とイン・ビボでの接線電界の(例えば数値的な)確立を要求することで、従来版の主な欠点に対処している。この要求事項により、受動的インプラントについてASTM規格で定義されている主な方法が、ISO 10974規格における能動的インプラントについてのものと調整されている、と著者らは報告している。

ばく露