世界保健機関(WHO)では、一般公衆および労働者の集団における高周波(RF)電磁界へのばく露の潜在的健康影響を評価するためのプロジェクトが進行中である。この研究は、同プロジェクトの一環として、WHOの委託により、RF電磁界ばく露と腫瘍性疾患のリスクとの因果関係についてヒト観察研究で示された証拠の質および強さを評価することを目的に、RF電磁界ばく露によるヒトでのがんのハザードについての科学的文献の系統的レビューのためのプロトコルを提示している。3つのタイプのRF電磁界ばく露(近傍界、頭部局所、ワイヤレス電話使用からのばく露(SR-A);遠方界、全身、固定送信設備からのばく露(SR-B);職場でのハンドヘルドトランシーバまたはRF放射機器の使用による近傍/遠方界での職業的ばく露(SR-C))に関連した腫瘍症リスクを調べたコホート研究および症例対照研究を包含した。腫瘍のタイプへの制限は適用されないが、中枢神経系(脳、髄膜、脳下垂体、内耳神経)の一部の腫瘍ならびに唾液腺腫瘍(SR-A);脳腫瘍および白血病(SR-B、SR-C)に焦点が絞られる。包含される研究は、Medline、Embase、EMF-Portalで同定する。研究の内部の妥当性評価のため、OHAT[米国国家毒性プログラム(NTP)の健康評価解釈局]のツールの特別バージョンを用いる。異なる腫瘍、異なるばく露発生源からの腫瘍ごとのリスク、成人および子どもにおける所与のばく露‐アウトカムのペアについて、個々の研究を検討する。知見の定量的統合が想定できる場合、メタ分析の主な目的は、関連の強さとばく露‐反応関係の形状を評価すること;研究間の異質性の程度を定量化すること;(もしあれば)不一致の発生源を探求することである。メタ分析が不適切と判断された場合、ナラティブな統合を実施し、結果の構造的な表作成および適切な視覚的表示によって補完する。証拠の信頼度はGRADEアプローチ[医療におけるエビデンスの質と推奨の強さをグレーディングする手法]に従って評価する。
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