[7 Tでの人体MRスキャナの安全性] basics

Safety for Human MR Scanners at 7T

掲載誌: Magn Reson Med Sci 2022; 21 (4): 531-537

ヒトに対する7 Tの磁気共鳴(MR)画像撮影システムは、1999年に最初に導入されて以来、MR研究用の最も先進的なプラットフォームとして20年以上にわたって採用されている。現在、米国では2つの7 T MRモデルが臨床用に承認されており、これによって世界中で100機前後の導入が促進され、日本でも承認が待たれている。この論文の著者らは、7 T MRシステムの安全性について以下のように論じている。生物学的影響についての複数の大規模研究で、空間識失調、めまい、動作障害、吐き気等が報告されており、そのような影響はMR従事者および研究者にも生じ得る。この論文は、報告されている生物学的影響の頻度および重篤度について論じている。7 Tの高い共鳴周波数と、より短い高周波波長が、安全性についての懸念を高めている。均質な高周波パルスを励起することは脳に対しても困難で、多チャンネル並行送信(pTx)システムの検討が義務付けられている。しかしながら、pTxはホットスポットを生じる可能性があり、これは比吸収率SAR)の推定を困難にする。7 Tのより強い磁界は、金属製インプラントまたはデバイスに対する強い変形力および加熱を生じるので、これらを移植した患者を7 Tでスキャンしてはならない。但し、特定の基準に適合していれば、7 Tであってもそのような患者をスキャンしても良いという意見もある。この著者らは、ヒト(MR対象者、従事者、研究者)およびニューロン、ならびにスキャン音、SAR、および金属製インプラントに対する、静磁界の影響についての簡単なレビューを提示している。悪影響の理解と回避が、安全上のリスクの低減とインシデントの防止に寄与するだろう、と著者らは結論付けている。

ばく露