この論文の著者らは、電磁過敏症(EHS)の研究における「科学的コンセンサス国際報告」として、以下のような主張を示している。臨床的観察ならびに生物学的および放射線学的所見を通じた疾病の客観的な同定および特徴付けを目的とする臨床研究は、客観的な診断基準および治療を確立する際に必須な研究の第一歩である。そのような診断基準を最初に定義できないと、病因についての研究は深刻な交絡バイアスと間違った医学的解釈につながるおそれがある。EHSは特にこれに該当し、EHSの原因ではなく、EHSに関連する特定の(人工的な電磁界への過敏症を呈する)環境不耐性状態を調べる、いわゆる「誘発試験」は正にそうである。但し、そうした試験は複数の電磁界関連の物理的および生物学的パラメータに依拠し、客観的にEHSであると定義されていない、および/または適切なエンドポイントがない患者において実施されてきたため、現在では妥当な病因研究手法とみなすことはできない。結果的に、そうした試験で得られた陰性の結果は、EHS患者における症状のトリガとしての電磁界ばく露の役割を排除していない。更に、EHSの症状またはEHSそれ自体が、精神身体的効果またはノセボ効果によって生じるという証明はない。この国際コンセンサス報告は、EHSを明確な神経病理学的障害として認定し、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)に含めることを求めている。
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