[体細胞組み換え中の前Bリンパ球に対する高周波電磁界照射の影響] med./bio.

Radiofrequency EMF irradiation effects on pre-B lymphocytes undergoing somatic recombination

掲載誌: Sci Rep 2021; 11: 12651

強い電磁界ばく露したリンパ球にDNA二本差切断を生じる。この研究の著者らは、免疫グロブリン軽鎖遺伝子座(LgL)でのV(D)J組み換え後の発達中のBリンパ球前駆細胞を調べた。組み換え生理学的にDNA二本差切断を生じることから、著者らは、低ばく露量の電磁界がこの発達段階に影響を及ぼすかどうかを調べた。組み換え中のBリンパ球前駆細胞を、720-1224 MHzの低強度電磁界(最大照射電力密度9.5 µW/cm^2、電界強度3 V/m)に48時間ばく露した。その結果、ばく露したBリンパ球前駆細胞には、電力密度に依存して組み換えのレベル低下が認められた。720 MHzでは9.5 µW/cm^2の電力密度でも組み換えの50%低下は得られなかったが、950および1000 MHzでは0.45 µW/cm^2でその影響が得られた。1000 MHzでは0.2-4.5 µW/cm^2で、最大4分の1の組み換えの低下が測定されたが、γH2AXリン酸化ヒストンのレベルは正常であった。これらの知見は、発達中のBリンパ球前駆細胞に対する低強度の電磁界ばく露は、抗体レパートリーの多様性とその産生レベルに影響を及ぼし得ることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露