この研究は、カナダにおける携帯電話使用と神経膠腫の発生率の時間的変化が、携帯電話使用が神経膠腫のリスクを上昇させるという仮説と一致するかどうかを調べた。カナダのがん登録からのデータを用いて、1992年から2015年までの神経膠腫の年間発生率を計算した。国の産業統計から携帯電話の毎年の新規契約者数を判定した。新たに診断された神経膠腫の件数を、年齢別の人口推計に疫学研究からのリスクを適用して予測される件数と比較した。特に、携帯電話使用者の年間有病率および使用年数を判定することで、「予測される」神経膠腫の発生件数を計算した。この推定値を対応するリスク推定値で乗じて、予測される神経膠腫の件数を判定した。その結果、カナダにおける携帯電話契約件数は、1980年代初頭のゼロから2015年には約2950万件に増加した。i) スウェーデンの症例対照研究についての最近のプール分析、ii) 13か国で実施されたINTERPHONE研究、iii) INTERPHONE研究のカナダのデータからのリスク推定値を適用したところ、カナダで診断された神経膠腫の観察数は、それぞれ49%、85%、63%の過大評価であった。携帯電話使用の顕著な増加と、神経膠腫の発生率が上昇していないことは、携帯電話と神経膠腫には因果関係はないであろうということを示唆している、と著者らは結論付けている。
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