研究のタイプ: 疫学研究

[携帯電話使用と耳下腺およびその他の唾液腺のがんの発生率における傾向] epidem.

Mobile phone use and trends in the incidence of cancers of the parotic and other salivary glands

掲載誌: Cancer Epidemiol 2021; 73: 101961

携帯電話使用は過去30年間で顕著に増加し、耳下腺およびその他の唾液腺がんを含む頭部のがんとの関連が示唆されている。この研究は、携帯電話使用の増加の影響力を確認するため、オーストラリアにおける耳下腺およびその他の唾液腺がん発生率の時間的傾向を調べた。1982-2016年、ならびに携帯電話使用の普及率の変化を代表する特定の期間(1982-1993年、1994-2005年、2006-2016年)の入手可能な全ての国家登録データから、唾液腺がん発生率の年間変化率(APC)を推定するため、ポアソン回帰を用いて発生率の時間的傾向の分析を実施した。その結果、耳下腺がん発生率は、1982-1993年および1994-2005年の期間には安定していた。2006-2016年には、20-59歳の成人で男性の耳下腺がんが大幅に減少し(APC = -3.71、95%信頼区間(CI)= -6.6- -0.67)、女性では大幅に増加した(APC = 4.80、95% CI = 1.77-7.91)。その他の唾液腺がんについての発生率は全ての期間で安定していた。これらの結果は、携帯電話使用が耳下腺またはその他の唾液腺がん発生率を増加させるということを示しておらず、2006年以降の女性での耳下腺がんの増加には、女性に特有の他のリスク要因が寄与しているかもしれない、と著者らは結論付けている。

ばく露