[電磁界と健康リスクについての最近の研究‐電磁界に関する科学評議会からの第15次報告書(2020)] info

Recent Research on EMF and Health Risk. Fifteenth report from SSM’s Scientific Council on Electromagnetic Fields, 2020

Swedish Radiation Safety Authority (SSM)
2021, Report number: 2021:08: 1-100

スウェーデン放射線安全庁(SSM)は「電磁界健康リスクについての最近の研究‐電磁界に関する科学評議会からの第15次報告書」を発表した。同評議会は、電磁界へのばく露に関連する潜在的健康リスクについての現行の研究モニタし、あるかもしれない健康リスクの評価についてSSMに助言を提示している。科学的検証が必要な政策事案についてSSMが提言を示さなければならない場合、同評議会は助言を提示する。同評議会には、現行の研究および知識の状況について、書面での報告の提出が毎年求められている。今回の報告書は一連の報告書の15番目のもので、2019年1月から同年12月までに発表された研究を調査している。調査対象とされた新たな研究には、高圧送電線からのばく露、労働者の磁界ばく露筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病等の疾病、が含まれている。ALSについては、磁界または電撃との関連があるかもしれないものの、今のところ、どちらが原因となり得るかはわかっていない。パーキンソン病については、研究結果からこれらへのばく露との関連はないことが示されている。脳腫瘍携帯電話使用との関連については、従来の研究結果と一致しており、携帯電話からの電波はリスクを生じないということを示している。第5世代移動通信(いわゆる5G)の特定の健康リスクについての研究は同定されなかったことから、今回の報告書では、そのような研究は評価していない。他方、現在導入されつつある5G技術は、従来世代の移動通信で長年利用されている周波数範囲のすぐ近くの周波数の電波を利用している。よって、これまでに発表されている研究は、十分に関連性がある。今後5Gでの利用が予想されている、より高い周波数については、更なる研究が必要であるが、より高い周波数の電波がリスクを高めるであろうということを示唆する機知のメカニズムはない。SSMは、プレコーショナリな[念のための]対策として、長期間の使用の際に生じるかもしれないリスクをめぐる不確かさのため、携帯電話での通話の際にハンズフリー[イヤホンマイク等]の利用を継続することを推奨している。

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