この論文は、スイスのベルンでの商用ネットワークにおける第5世代(5G)新規無線(New Radio:NR)基地局からの高周波(RF)電磁界へのばく露評価について記述している。測定キャンペーン中、4か所の基地局を調査し、Massive MIMOアンテナから生じるばく露を、基地局から30-410 mの22地点で評価した。NR基地局は3.6 GHzで動作し、コードブックベースのビームフォーミングを用いていた。ダウンリンクのトラフィックを生じない場合、トラフィック負荷が低いこととアンテナ入射電力が最大で8 Wと低いことから、実際の電磁界レベルは非常に低かった(<0.05 V/m)が、ユーザー機器に向けたダウンリンクのトラフィックを最大に設定した場合、時間平均のばく露レベルは0.4 V/m、外挿された最大ばく露レベルは0.6 V/mに達した。アンテナ入射電力を200 Wに外挿した場合、それぞれの値は4.3 V/mおよび4.9 V/mとなり、これらは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の参考レベルの0.5-0.6%に相当する。ベルンでは、環境中のRF電磁界ばく露全体に対するNRネットワークのインパクトは非常に限定的(ダウンリンクが最大でも、寄与度は平均で2%)であることが示された、と著者らは結論付けている。
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