[自由に飛行する移動性コウモリの方向付けには角膜の感度が必要である] med./bio.

Corneal sensitivity is required for orientation in free-flying migratory bats

掲載誌: Commun Biol 2021; 4: 522

脊椎動物における鉄粒子をベースとする磁覚についての正確な解剖学的部位は依然として謎である。哺乳類では、デバネズミの角膜麻酔実験の知見から、それ[鉄粒子]が磁気受容に対する一次センサーを担っていることが示唆されているが、これは放し飼いの哺乳類では検証されていない。この研究は、渡りを行うコウモリの一種Pipistrellus nathusiiのナビゲーションに対して無傷の角膜感覚が重要かどうかを調べた。その結果、片眼のみ処理したコウモリ、および非処理群のコウモリは、季節に応じた適切な方向に飛行したのとは対照的に、両眼に角膜麻酔を施したコウモリは、渡りのコースから外れて放した後に無作為な方向に飛行することがわかった。Y字迷路試験を用いたところ、一般的な麻酔によって光の検出は影響されないことが確認された。このため著者らは、コウモリの磁気受容の部位である可能性のあるものとして角膜を示唆している。

ばく露