この研究は、GSM 900 MHzおよび1800 MHz携帯電話信号にばく露した赤血球細胞を、ラマン分光法を用いて調べた。その結果、非ばく露対照群と比較して、ばく露群ではラマンスペクトルの変化が認められ、ヘモグロビン‐酸素親和性の低下が示唆された。このメカニズムには、携帯電話放射により電位依存性の膜Ca2+チャネルの活性化が関与していて、代謝活性を変化させることで細胞内のアデノシン三リン酸(ATP)および2,3-ジホスホグリセリン酸(2,3-DPG)のレベル上昇を生じるかもしれないことから、蛍光Ca2+指標を用いた更なる研究を実施したところ、ばく露群の細胞内にCa2+のレベル上昇が確認された。細胞内ATPレベルは赤血球細胞の形状および機構に影響力を及ぼすことから、回折位相差顕微鏡および光ピンセットでばく露群を調べたところ、赤血球細胞の形状および機械的特性に検出可能な変化が認められた、と著者らは報告している。
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