無線周波(RF)電磁界へのばく露が自発的な安静時の脳電図(EEG)のアルファ波のパワーを強めるという、一貫性のある証拠が示されているものの、そのような影響を示さなかった研究も幾つかあることから、この証拠の信頼性は不確かである。この研究は、アルファ波のパワーに対するRF電磁界ばく露の影響が、EEGを開眼または閉眼条件のどちらから得たかに依存するかどうかに焦点を当て、ばく露のインターバルの早期(5分未満)および後期(25分以降)で評価した。成人36人が3回の実験セッション(擬似ばく露:10 gあたり平均の比吸収率(SAR)0 W/kg、低ばく露:1 W/kg、高ばく露:2 W/kg)に参加した。安静時EEGをベースライン(ばく露なし)、ばく露中、ばく露後に記録した。その結果、高ばく露(P = 0.04)および低ばく露(P = 0.04)のどちらでも、アルファ波のパワーの上昇は閉眼時よりも開眼時の方が大きいことが示された。30分間の高ばく露では、開始時よりも終了時の方がパワーが高い傾向が見られた(P < 0.01、開眼条件)。このことから、一部の研究でRF電磁界ばく露に関連したアルファ波パワーの上昇が検出できなかったのは、閉眼条件を用いたことや、ばく露時間が不十分であった(こうした方法論的選択は信号/雑音(S/N)比を小さくし、第二種の過誤[偽陰性]を増加させる)ことで説明できるかもしれないということが示唆される、と著者らは述べている。
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