この研究は、約0.1-1 THzの周波数範囲でのウサギの正常な角膜組織の誘電率をイン・ビトロで取得し、高出力テラヘルツにばく露した眼の表面の乾燥過程を、テラヘルツ時間領域分光法を用いたイン・ビボでの反射率測定で調べた。ウサギの目を162 GHzのテラヘルツ波に照射電力360または480 mW/cm^2で6分間ばく露した場合、反射率は一時的に上昇し、その後は温度上昇と共に低下した。誘電率および前眼部光コヒーレンス断層撮影画像を用いた多重反射計算に基づき、これらの反射率の変化[上昇および低下]は角膜の涙および上皮の乾燥にそれぞれ帰結された。更に、このばく露条件では5℃前後の温度上昇に伴い乾燥が進行した。これらの知見は、眼の損傷は乾燥の進行と共に生じる可能性があること、また、反射率はテラヘルツ波の眼組織への浸透深度に関連していることから、眼の表面の条件設定が、高レベル照射化での吸収されるエネルギーの計算データと実験データの不一致の原因の一つかもしれないことを示唆している、と著者らは結論付けている。また、時間領域分光測定法は誘電率の取得、ならびにばく露測定中の眼の状態のリアルタイムのモニタリングに有益である、と述べている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。