ワイヤレス電力伝送による電気自動車の充電のためのキロワット範囲の中間周波(IF)帯の磁界の利用がますます増加していることにより、マイクロテスラ範囲の漂遊磁界の発生が不可避となっているが、そのような磁界へのばく露に関連する潜在的生物学的リスクを評価した研究は極めて少ない。この盲検デザイン研究は、雌マウス(各群n = 80)をヘルムホルツコイル内で20 kHz、360 µT(rms)の磁界に3月齢から24時間/日ばく露または擬似ばく露した。1-2週ごとに体重を記録した。10月齢の時点で、各群24匹について3つの行動学的試験を実施した。3か月後、マウスを安楽死させ、臓器(脳、肝臓、腎臓、脾臓、肺)を摘出し、顕微鏡分析を実施した。その結果、体重増加、生存率(擬似ばく露群96%、ばく露群89%)、腫瘍発生率に有意差は認められなかった。行動学的試験については、8本腕迷路試験では有意差は認められなかったが、ロータロッド試験でのばく露群の姿勢維持時間が有意差に長かった(P < 0.001)。オープンフィールド試験では、壁に寄りかかった立ち上がり動作の回数が有意に少なかった(P < 0.01)が、その他のエンドポイントに差はなかった。これらのデータは全体として、マウスの発育および腫瘍発生に対する20 kHz, 360 µTのIF磁界へのばく露の悪影響を示していないが、行動学的試験における有意差は、より高いレベルの覚醒を示しているかもしれない、と著者らは結論付けている。
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