[超低周波電磁界はイナゴの羽ばたきを変化させる] med./bio.

Extremely Low-Frequency Electromagnetic Fields Entrain Locust Wingbeats

掲載誌: Bioelectromagnetics 2021; 42 (4): 296-308

この研究は、イナゴの飛行が50 Hzの超低周波(ELF)電磁界への急性ばく露に影響されるかどうかを調べた。様々な周波数の電磁界を生じる一対の銅線コイルにつないだイナゴの飛行を、高速画像撮影を用いて分析した。平均の羽ばたき周波数は18.92 ± 0.27 Hzであった。50 Hz電磁界への急性ばく露は、その強度に応じた形で羽ばたき周波数の絶対的変化を有意に増加させた。羽ばたき周波数に対する電磁界の影響は当初の羽ばたき周波数に依存し、20 Hz未満の周波数で飛行するイナゴはその羽ばたき周波数を増加させ、20 Hzよりも高い周波数で飛行するイナゴは羽ばたき周波数を減少させた。50 Hz電磁界を適用した場合、羽ばたき周波数は2:5の比率で同期した(5回の電磁界周期に対して羽ばたき2回の周期)。通常の羽ばたき周波数に近い周波数のELF電磁界を適用した場合、羽ばたき周波数はその電磁界の周波数に正確に同期した。これらの結果は、ELF電磁界ばく露はイナゴの羽ばたき周波数に対して僅かだが有意な変化を生じ得ることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露