この研究は、26 GHzおよび60 GHzでのマルチビーム放射構造物から生じる近傍界ばく露下での皮膚等価モデルにおける電力吸収に対する、加齢および繊維の影響を調べた。第5世代（5G）アンテナの代表例として4つの八木アンテナアレイを用いた。その結果、平均吸収電力密度の増加幅が最大だったのは70歳（26 GHzで8.8%、60 GHzで6.9%）、減少幅が最大だったのは5歳児（26 GHzで-4.5%、60 GHzで-3.7%）であった。繊維が存在する場合、吸収電力密度は繊維の特性（厚さおよび誘電率）ならびに繊維と皮膚の間の空隙の厚さに応じて増減した。コットン及びウールを用いた場合、素肌と比較して、平均吸収電力密度の最大増加幅が約40%であった、と著者らは報告している。
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