従来のメタ分析では、超低周波(ELF)磁界への職業的ばく露に関連した筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスク上昇が示唆されていた。但し、これらの研究は方法論的に不均一で、結果を慎重に解釈することが望ましい。この研究では、入手可能なオリジナルデータのハーモナイズと再分析のため、これらの研究をプールすることについてのフィージビリティスタディを実施した。PubMedおよびEMF-Portalで、2019年1月までに発表された疫学研究を同定した。対象となる全ての研究の特徴(ばく露指標、ばく露カテゴリー、交絡因子を含む)を記述した。オリジナルデータを提供する意思を評価するため、研究代表者(PI)に対する調査を実施した。また、プール研究の統計的検出力を評価した。文献検索で、1997年から2019年の間に15報の論文を同定した。研究は、アウトカム、対象集団、ばく露評価、ばく露指標が異なっていた。大半の研究はELF磁界を就労日あたりの平均磁束密度で評価していた。但し、ばく露カテゴリーは研究によって大きく異なっていた。交絡因子の調整のパターンは研究ごとに異なり、年齢、性別、社会経済的状態が最も頻繁に用いられていた。8人のPIがオリジナルデータの提供の意思を表明した。その結果、このプール研究では、80%を超える検出力で、ALSとELF磁界への職業的ばく露について ≥1.14の相対リスクを検出することができた。よって、オリジナルデータをプールすることが推奨され、それにより、ALSの病因においてELF磁界をより良く理解することに寄与することができた、と著者らは結論付けている。
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