研究のタイプ: レビュー/メタ分析

[低レベルミリ波の生物学的影響についてのイン・ビトロおよびイン・ビボ研究のメタ分析] review

Meta-analysis of in vitro and in vivo studies of the biological effects of low-level millimetre waves

掲載誌: J Expo Sci Environ Epidemiol 2021; 31 (4): 606-613

5G等の新技術の導入に伴い、関連する無線周波放射、特にミリ波帯から生じるかもしれない健康影響についての妥当性に関するコミュニティの懸念が再燃していることから、このレビュー論文の著者らは、ばく露レベルが低いミリ波の生体影響を調査したイン・ビトロおよびイン・ビボ研究のメタ分析を実施した。職業的な局所ばく露に対する現行の基準未満である、電力密度100 W/m^2未満のミリ波生物学的影響を調査したイン・ビトロおよびイン・ビボ研究107報を同定した。可能な場合、報告された主な影響の度合いを推定し、有意な影響を報告しなかった研究ではこの度合いをゼロとした。レビューの結果、影響のサイズと、電力密度および比吸収率の両方との負の相関が認められた。影響のサイズと質のスコアとの有意な負の相関も認められた。多変量解析では、調査対象の特定の生体系について影響のサイズの増加が認められ、その研究が実施された研究所の幾つかでは質のスコアが低い傾向が見られた。我々は、これらの研究のうちの多くが、通信システムの安全性の評価ではなく、治療用機器で生じるかもしれない作用機序を解明するという願望に動機付けられたものであった点に留意する。最後に、変調の有無は報告された影響のサイズに影響力を及ぼさないようであった。このメタ分析の知見の多くは、これまでに報告されたことはなく、イン・ビトロおよびイン・ビボのデータの全体的な解釈に対して重要な意味合いを有する。全体として、本研究の結果は、低レベルのミリ波生物学的影響との関連を確認するものではない、と著者らは結論付けている。

影響評価項目

ばく露