この研究は、妊娠中の無線周波(RF)電磁界へのばく露が母胎とその胎盤に影響を生じ得るかどうかを調べた。妊娠したSprague-Dawleyラットをケージ対照群、擬似ばく露群、RFばく露群に割付け、ばく露群を全身比吸収率(SAR)が4 W/kgで8時間/日、妊娠1日目から19日目までばく露した。血液、副腎および胎盤のコルチゾルのレベルを、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で測定した。母胎の血液中の副腎皮質刺激ホルモンおよび副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンのレベルをモニタした。胎盤の11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ2型(11β-HSD2)mRNAの発現レベルを、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で測定した。胎盤の形態学的変化をヘマトキシリンおよびエオシン染色で分析した。胎盤の胎仔の部分をソフトウェアで測定した。その結果、ばく露群では擬似ばく露群と比較して、母胎の循環血(ばく露群:230 ± 24.6 ng/ml、擬似ばく露群:156 ± 8.3 ng/ml)および副腎(ばく露群:58.3 ± 4.5 ng/ml、擬似ばく露群:30 ± 3.8 ng/ml)のコルチゾルは有意に上昇した(P < 0.05)。ばく露群の胎盤のコルチゾルは安定状態を維持し、胎盤の11β-HSD2 mRNAの発現レベルに変化はなかった、と著者らは報告している。
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