この研究は、162 GHzのミリ波にばく露した眼の損傷の臨床経過および治癒プロセスを調べた。ミリ波発生源としてジャイロトロンを用いた。162 GHzばく露に対する再現性が良好な眼の損傷のラットモデルを開発し、損傷発生閾値を得た。色素沈着したウサギの右眼を点焦点型レンズアンテナからの162 GHzミリ波にばく露し、ばく露していない左眼を対照とした。その結果、ばく露の1日後のスリットランプ試験では、中央瞳孔帯の上皮細胞の損傷を示すフルオレセイン染色で特徴付けられた、不透明な円形領域が認められた。角膜実質の損傷を示す角膜浮腫は、ばく露の2-3日後がピークで、ばく露の9日後までに厚さは徐々に正常状態に回復した。10、50、90%の確率で角膜損傷を生じる162 GHzミリ波の電力密度は、それぞれ173、252、368 mW/cm^2であった、と著者らは報告している。
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