[電磁界、5Gおよび健康:プレコーショナリ原則はどうか?] basics

Electromagnetic fields, 5G and health: what about the precautionary principle?

掲載誌: J Epidemiol Community Health 2021; 75 (6): 562-566

現在世界中で導入されている第5世代移動通信(5G)が激しい論争の的になっている。保健機関およびそれに対する科学諮問委員会の中には、有害性の決定的な科学的証拠はないと結論付けているものもあるが、独立した科学者らによる最近の複数のレビューは、この疑問には相当の不確かさがあり、潜在的に有害な生物学的影響の証拠が急激に顕在化しつつあることを示唆している。この論文の著者は、以下の4つの関連する科学的不確かさの源を同定している。(1) 5Gに含まれる技術が明確になっていない;(2) イン・ビトロおよびイン・ビボでの影響を文書化した実験研究が急激に増加しているが、それには多くのギャップがある;(3) 5G電磁界ばく露からのヒトの健康への悪影響についての高品質の疫学研究はほぼ全くないが、従来世代からのばく露による影響についての疫学的証拠は増加している;(4) 一部の国の規制当局のRF電磁界安全性政策は最新の科学に基づいておらず、管理されていない利益相反に関連している。疫学者である著者は、5Gシステムで空間的に密集した送信機が必要とされ、人口集団レベルのより高いばく露が広範囲に生じる時代においては特に、RF電磁界についての健康懸念を却下することはできない、と結論付けている。また、プレコーショナリ原則に基づき、その安全性についてのより決定的な研究が留保されている間、地球規模での5Gシステムの更なる導入に対するモラトリアムを求める人々の呼びかけを反復している。

ばく露