皮膚は最大の器官であり、最外層に位置することから、電磁界の健康影響の最大の標的とみなされている。皮膚の色素沈着は、紫外線等の各種の非電離放射線による最も頻発する症状の一つである。この研究は、皮膚の色素沈着に対するLTE(1.762 GHz)および第5世代移動通信(5G、28 GHz)の帯域幅の電磁界の影響をイン・ビトロで調べた。ネズミおよびヒトの黒色腫細胞(B16F10およびMNT-1)をLTEまたは5G信号に4時間/日ばく露した。その結果、どちらの信号へのばく露も、細胞の生存率または色素沈着に有意な影響を生じなかった。MNT-1の樹状突起は電磁界ばく露によって延長も短縮もされなかった。電磁界による皮膚の色素沈着への影響を、ヒトケラチノサイト細胞株(MNT-1-HaCaT)共培養装置で更に調べたところ、LTEまたは5G信号による有意な色素沈着過剰は認められなかった。三次元色素性ヒト表皮モデルをLTEまたは5G信号にばく露し、画像分析および特殊染色を実施したところ、メラニン形成細胞の大きさの極僅かな変化を除いて、輝度に変化は認められなかった。これらの結果は、スマートフォンの通常使用条件下でのLTEおよび5G電磁界へのばく露は、メラニン合成または皮膚の色素沈着を変化させそうにないということを暗示している、と著者らは結論付けている。
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