磁気共鳴画像撮影(MRI)の際の無線周波(RF)へのばく露は、身体組織の温度上昇を生じ、心拍数および呼吸数を変化させ、体温調節をかく乱することがある。この研究は、麻酔下のブタ20匹に対し、11個の温度センサーを筋組織に、1個を直腸に取り付け、RFばく露の際の温度変化を調べた。ブタを3 TのMRI装置の直径60 cmの全身共鳴装置内に配置し、組織温度ならびに心拍数および呼吸数を、RFばく露の前後および最中に測定した。ブタ19匹を擬似ばく露群、低ばく露群(比吸収率(SAR)2.7 W/kg、平均ばく露時間56分間)、中ばく露群(4.8 W/kg、31分間)、高ばく露群(4.4 W/kg、61分間)に割り付けた。残り1匹は全身SARが11.4 W/kgのRFにばく露した。その結果、ホットスポット温度は、擬似ばく露群の0.3 ± 0.3°C(最小0.1 - 最大0.6)に対し、低ばく露群で5.0 ± 0.9°C(3.9 - 6.3)、中ばく露群で7.0 ± 2.3°C(4.6 - 9.9)、高ばく露群で9.2 ± 4.4°C(6.1 - 17.9)であった。4種類の時間‐温度曲線が同定された(正弦波、放物線、プラトー、線形)。これらの曲線の形状は、RF強度、直腸温度、呼吸数、心拍数と相関していなかった。どのブタでも、直腸温度はばく露中およびばく露後にも上昇した(2.1 ± 0.9°C)が、ホットスポット温度はばく露後に低下した。直腸温度が1°C上昇した時、ホットスポット温度は低ばく露群で37分以内に42.8°C、高ばく露群で24分以内に43.8°Cまで上昇した。全身平均SARは全体としてホットスポットの最大値と相関していなかった、と著者らは報告している。
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