研究のタイプ: 疫学研究

[フランスの都市部での健康障害と携帯電話基地局からの無線周波電磁界へのばく露] epidem.

Health disturbances and exposure to radiofrequency electromagnetic fields from mobile-phone base stations in French urban areas

掲載誌: Environ Res 2021; 193: 110583

この研究は、携帯電話基地局からの無線周波RF電磁界ばく露の測定値と、自己申告された非特異的および不眠症様の症状との関連を調べた。2015-2017年にフランスの5つの大都市で、基地局から250 m以内で、そのアンテナの主な送信方向にある建物の住民354人を対象に横断的調査を実施した。環境上の懸念、不安、非特異的および不眠症様の症状についての情報を、電話アンケートで収集した。広帯域電磁界メーター(100 kHz – 6 GHz)を用いて各住居の5地点で測定し、数値が最も高い地点についてスペクトル分析を実施し、各種サービスの寄与を把握した。その結果、基地局からのばく露中央値は0.27 V/m(全体では0.44 V/m)、範囲は0.03 - 3.58 V/mで、64%の住居において主なばく露発生源であった。この調査対象集団では、基地局からのばく露の測定値は自己申告された非特異的または不眠症様の症状と関連していなかった。但し、不眠症様の症状については、基地局からのRF電磁界ばく露と環境上の懸念との間に有意な相互作用が認められた。これらの知見は、非特異的または不眠症様の症状基地局からのRF電磁界が影響するという仮設を支持していない、と著者らは結論付けている。

ばく露