この研究は、欧州の子どもおよび思春期層における自身の携帯電話使用および周囲の発生源からの無線周波(RF)電磁界ばく露量をモデル化した。2012-2016年にオランダ、スペイン、スイスの子ども(8-12歳)および思春期層(14-18歳)8358人の脳(脳全体、小脳、前頭葉、中脳、後頭葉、頭頂葉、側頭葉)および全身での日常的なRFばく露量を、統合RFモデルを用いて推定した。この統合モデルでは、近傍界発生源(DECT規格コードレス電話、携帯電話、タブレット、ノートPC)ならびに周囲の遠方界発生源(携帯電話基地局、3D電波モデリングまたはRF測定による)からのばく露量を推定した。その結果、思春期層は子どもと比較して、携帯電話の使用頻度がより高く、モデル化したRFばく露量の経験値がより高かった(思春期層:中央値330.4 mJ/kg/day、子ども:中央値81.8 mJ/kg/day)。子どもは思春期層と比較して、タブレットまたはノートPC使用に費やす時間がより長く、結果として全身のRFばく露量がより高かった(思春期層:中央値41.9 mJ/kg/day、子ども:中央値81.8 mJ/kg/day)。脳の部位では、RFばく露量は側頭葉で最も高く(思春期層:中央値1,786.5 mJ/kg/day、子ども:中央値274.9 mJ/kg/day)、次に前頭葉であった。子どもおよび思春期層の大半で、第2世代(2G:GSMに相当)ネットワークでの通話が脳全体のRFばく露量への主な寄与因子であった(思春期層:中央値273.7 mJ/kg/day、子ども:中央値31.1 mJ/kg/day)。RFばく露量のモデリングは、若年者のRFばく露に関した疫学研究および潜在的リスクの管理のための価値あるデータを提示するものである、と著者らは結論付けている。
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