この研究は、UMTS携帯電話の電磁界放射への15分間の単回ばく露後のヒト末梢血リンパ球における染色分体型の異常の誘導を調べた。健康な被験者6人から採取したリンパ球を刺激して有糸分裂させ、G2/M期中に通話モードで動作中の携帯電話から1 cmの間隔でばく露した。同じ被験者から採取した同じ型の細胞を高カフェイン用量(成人に対する許容単回用量の290倍)で処理したところ、同じ型の異常が、若干少ないがほぼ同程度で認められた。このカフェイン用量と15分間のばく露を組み合わせたところ、全ての被験者で異常の数が劇的に増加した。これらの結果は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP、2020)の公式な限度値の最大で1/136のばく露が、限度値の290倍高いカフェイン用量によって生じるよりも高い遺伝毒性作用を生じることを示しており、合理的な近似として、携帯電話放射に対する限度値は少なくとも、短期ばく露で1/(4*10^4)(≒1/(136*290))、長期ばく露で1/(4*10^6)に引き下げることが望ましい、と著者は結論付けている。
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