この研究は、フランスの都市部における携帯電話の近隣住民の無線周波(RF)電磁界ばく露を評価した。フランス国家周波数庁(ANFR)は、RF電磁界によって生じるかもしれない健康へのインパクトを懸念する多くの人々の要求に応えて、その場でのRF電磁界の測定のための標準的プロトコルを発表した。このプロトコルは、電磁界強度が最も高い地点の検索とスポット測定に基づいている。疫学研究の枠組みで、そのようなスポット測定が、都市部の携帯電話基地局から250 m以内で、そのアンテナのメインビーム方向にある354人の参加者の住居で実施された。参加者の半数以上が長期的研究への登録を受け入れ、そのうち152人が個人用ばく露メーター(PEM)を48時間、40人が7日間連続で装着した。スポット測定およびPEMでの測定はどちらも、ダウンリンクの電界強度(FM, TV3-4-5, TETRA I-II-III, 2 GHz-5GHz Wi-Fi, WiMax, GSM900, GSM1800, UMTS900, UMTS 2100, LTE800, LTE1800, LTE2600)を定量化した。その結果、スポット測定では、電界強度の平均値および中央値はそれぞれ、RF全体で0.58および0.44 V/m、基地局からのRFで0.43および0.27 V/mが示された。RFばく露は基地局に対する窓の位置に影響を受けた。PEMでの測定では、ばく露は住居内よりも屋外で、夜間よりも日中に高いことが示されたが、週末と平日で差はなかった。スポット測定とPEM測定で定量化したばく露には強い相関が認められたが、スポット測定値はPEM測定値より約3倍高かった。この予備的結果は、人口集団のRFばく露に対する携帯電話ネットワークおよび技術の進化のインパクトを推定するため、スポット測定を用いることには価値があることを示唆している、と著者らは結論付けている。また、平均値で示されたRFばく露のレベルが低くても、健康に影響が生じる可能性は必ずしも排除されない、としている。
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