この研究は、30-90 GHzのパルス化放射のヒトの外耳道および鼓膜への浸透を、計算ファントムを用いて調べた。モデリングは、100 ps[ピコ秒、10^(-12)秒]および20 psのパルス化刺激を3つの角度(外耳道に対して直角、前方に30°、後方に45°)で実施した。入射電力密度(PD)の推定値を、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP、1998)の一般公衆のばく露基準の10W/m^2、職業的ばく露基準の50W/m^2に対して正規化した。その結果、鼓膜でのPD、比吸収率(SAR)および温度上昇は、入射角および周波数に強く依存していた。外耳道に直角に入射する30 GHzのパルスを用いた場合、鼓膜でのPDは元々の最大信号強度の0.2%であった。これに対応する90 GHzでのPDは13.8%であった。90 GHzでの職業的基準と同等のばく露を用いた場合、鼓膜での温度上昇は0.032° C(+20%, -50%)であった。鼓膜の中央部が優先的にばく露され、小さな部位に局所的な影響が生じる可能性は排除できない。基準策定プロセスを支援するため、耳の構造に対する60 GHz超の放射の影響についての更なる研究を強く擁護する、と著者らは述べている。
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