研究のタイプ: 疫学研究

[職業と運動神経疾患:ニュージーランドの症例対照研究] epidem.

Occupation and motor neuron disease: a New Zealand case-control study

掲載誌: Occup Environ Med 2019; 76 (5): 309-316

この研究は、職業と運動神経疾患(MND)との関連を人口集団ベースの症例対照研究で調べた。症例(n = 321)はニュージーランド運動神経疾患協会および病院の退院データを通じて、対照(n = 605)は選挙人名簿から募集した。個人データおよび詳細な人口統計学的情報、生活様式に関連する要因、ならびに完全な職業履歴は、アンケートおよびインタビューを用いて取得した。被雇用経験の有無および雇用期間との関連を、性別で階層化し、年齢、民族、社会経済的困窮、教育および喫煙について調整したロジスティック回帰を用いて推定した。その結果、MNDのリスク上昇が、畑作物・野菜栽培従事者(オッズ比OR)= 2.93、95%信頼区間(CI)= 1.10-7.77)、果物栽培従事者(OR = 2.03、95% CI = 1.09-3.78)、庭師(OR = 1.96、95% CI = 1.01-3.82)、農畜産物生産者(OR = 3.61、95% CI = 1.44-9.02)、漁業従事者・狩猟従事者(OR = 5.62、95% CI = 1.27-24.97)、建築業従事者(OR = 2.90、95% CI = 1.41-5.96)、電気技術者(OR = 3.61、95% CI = 1.34-9.74)、介護者(OR = 2.65、95% CI = 1.04-6.79)、ガソリンスタンド従業員(OR = 8.31、95% CI = 1.79-38.54)、工場および機械のオペレータおよび組立業者(OR = 1.42、95% CI = 1.01-2.01)、通信技術者(OR = 4.2、95% CI = 1.20-14.64)、製図技術者(OR = 3.02、95% CI = 1.07-8.53)で認められた。リスク上昇のある産業は、農業(特に園芸および果物栽培)、建設、非居住型介護サービス、自動車販売、スポーツ・レクリエーションであった。雇用期間とMNDとの正の関連が、果物栽培、庭師、農畜産物生産者、ならびに園芸および果物栽培産業について認められた、と著者らは報告している。

ばく露

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