内耳の感覚有毛細胞は内因性および外因性の要因に対する感度が高く、携帯電話使用による聴覚器官への潜在的なインパクトを考える上で特に重要であることから、この研究は、15分間のシミュレーション通話中の携帯電話から発せられる無線周波(RF)電磁界への短期ばく露がヒトの聴覚に及ぼすインパクトを、健康なボランティア23人を対象に誘発耳音響放射(TEOAE)および音響アドミタンス検査(AAT)で調べた。被験者は全員が、標準的なスマートフォンを用いた15分間のシミュレーション通話の前および直後にTEOAEおよびAATを受けた。鼓膜の静的コンプライアンス、中耳圧、同側および反対側の音響反射閾値、ならびにばく露側および非ばく露側の耳でのTEOAEにおける信号再現性のパーセンテージを分析した。加えて、携帯電話から発せられるRFに敏感であると自己申告したサブグループ内で結果を比較した。その結果、ばく露側の耳でも非ばく露側の耳でも、ばく露の前後でのTEOAEおよびAATの結果に統計的有意差は認められなかった。RF敏感群と非敏感群の結果は、実施した全ての試験で同等であった。携帯電話のRFへの短期ばく露は、誘発耳音響放射検査および音響アドミタンス検査で測定した聴覚機能に影響力を及ぼさなかった、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。