この論文は、韓国のソウルで運用中のワイヤレス通信ネットワーク中の携帯電話の送信電力レベルの測定結果、ならびに、測定された平均電力レベルで運用中の携帯電話をユーザーの耳にあてがって保持した状態での音声通話による、脳での比吸収率(SAR)の計算結果を報告することを目的として実施された。CDMA2000、WCDMA、LTEネットワークを用いた携帯電話の送信電力レベルを、韓国の三大ネットワーク事業者について比較した。その結果、CDMA2000およびWCDMAネットワークでは、実際の平均送信電力レベルは最大電力の0.5%未満であったが、LTEネットワークでは、事業者間の送信電力に極端なギャップが認められた。2つの事業者については平均電力が最大電力の0.1%未満であったが、残りの1事業者については、3つの帯域の平均電力が最大電力の0.8-20%の範囲であった。この測定値から、ユーザーの脳でのSARは、携帯電話が使用されていた年、ユーザーが加入する事業者、ネットワーク/技術に接続している時間の比率に強く依存することが示唆された。LTEネットワークの平均送信電力での1 gあたりのピーク空間平均SAR(psSAR)の最大値は4.8 mW/kg(子どもの頭部モデル)であった。検討した全てのネットワーク間では、psSARに最大で25 dBのギャップが認められた、と著者らは報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。