[Deinococcus radiodurans[放射線耐性菌]の静磁界とガンマ線の両方へのばく露:細胞回復効果の観察] med./bio.

Exposure of Deinococcus radiodurans to both static magnetic fields and gamma radiation: observation of cell recuperation effects

掲載誌: J Biol Phys 2020; 46 (3): 309-324

好極限性細菌であるDeinococcus radioduransは、プロテオーム放射線防御およびDNA修復の複雑なメカニズムにより、致死的な放射線の影響に耐える並外れた能力を示す。先行研究から、電離放射線照射したD. radioduransを静電界ばく露すると、細胞の生存率が大幅に低下することが示されている。この研究は、ガンマ線(0.5-12.5 kGy)を照射したD. radiodurans(D.r. GY 9613 (R1)株)に対する静磁界(0.08 Tおよび0.1-0.8 T)ばく露の影響を調べた。全ての試料を30 °Cで48時間インキュベートした後に、コロニー形成単位をカウントした。2セットの細胞生存データをそれぞれ3回測定した。その結果、2つのデータセットには顕著な類似性が認められた。生データの評価では、ガンマ線照射した細胞の静磁界ばく露生存率を有意に高めることが示された。データの解釈から、D. radioduransの生存率の向上は、磁界の物理的作用によってDNA断片の再結合の効率が改善されるためであることが示唆された、と著者らは報告している。

ばく露