[電磁界は電位依存性カリウムチャネルKv1.3に影響する] med./bio.

Electromagnetic field affects the voltage-dependent potassium channel Kv1.3

掲載誌: Electromagn Biol Med 2020; 39 (4): 316-322

超低周波(ELF)電磁界電位依存性チャネルを変調し得るという仮説を支持する理論的および実験的証拠がある。この研究は、免疫応答におけるT細胞の調節を含む重要な生理学的機能に関与していると考えられている、電位依存性カリウムチャネルのファミリーの一つであるKv1.3に対するELF電磁界の影響を調べた。Kv1.3を発現するCHO-K1細胞[チャイニーズハムスター卵巣由来細胞]で、268 μT および902 μTの20 Hzの電磁界へのばく露前、ばく露中、ばく露後に、Kv1.3カリウム流を全細胞パッチクランプで記録した。その結果、CHO-K1細胞のサブグループにおいて、ELF電磁界によるKv1.3流の有意な増加が認められた。この増加はばく露開始の数秒後から生じ、定常状態に達してから数分間持続し、ばく露後にベースラインに戻った。これらの知見は、Kv1.3がELF電磁界と生細胞との相互作用に介在していることを示唆しており、免疫調節、炎症およびがんを含む生理学および病理学的プロセスに電磁界が影響する分子メカニズムの新たな研究機会を開示するものである、と著者らは結論付けている。

ばく露