この研究は、記憶課題遂行中のラットの脳に対する無線周波(RF)電磁界ばく露の影響を調べた。ラットを900 MHz無線周波(RF)電磁放射に3時間/日、最初に短期間(1週間)、その後長期間(4週間)ばく露した。T字型迷路を用いて行動学的パラメータを毎週測定した。内側前頭前野に植込んだ微小電極アレイで局所電界ポテンシャル信号を同時に記録した。その結果、ばく露群では課題完了時間が有意に長くなった(p < 0.05)が、その影響は短期間ばく露の終了後は短時間で消失した。ばく露前の遅延課題を正確に遂行中、シータ帯(4-12 Hz)でのパワー変化の上昇(ピーク)が認められたが、通常課題を正確に遂行中には、パワー変化の上昇はRFばく露時にのみ認められた。長期間ばく露後には、シータ帯での同様のパワー変化のパターンがどちらの課題にも認められた。性格に実施された通常課題および遅延課題における局所電界ポテンシャルの分類精度をばく露の前後で比較したところ、当初の分類精度は84.2%であったが、ばく露後には有意に低下した(p < 0.05)。これらの結果は、RF電磁界は、短時間ばく露では少なくとも一過性の、正常でない脳機能を生じるかも知れないことを示している、と著者らは結論付けている。
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