電気を輸送する、またはこれを用いる全ての線または装置からは、超低周波(ELF)の電界および磁界が発生するが、それらは発生源からの距離と共に急激に減少する。高い磁束密度は通常、電力線の近傍および大電流を用いる機器の傍で見られるが、帰路電流の均衡が取れていない、または屋内変圧器のある建物内でも見られることがある。疫学研究ならびに実験研究は数十年にわたり、ELF磁界への曝露によって生じるかも知れない健康影響に対処してきた。国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の主な目的は、全ての形態の非電離放射線(NIR)への有害なばく露から人々と環境を防護することである。この目的のため、ICNIRPは、入手可能な科学的研究に基づいてばく露ガイドラインを策定し、これを広めることで、助言およびガイダンスを提示している。低周波領域での研究は40年以上前に始まり、今では膨大な文献が入手可能であり、ICNIRPはそれに基づいて防護ガイドラインを策定している。あるかも知れない重要な知識のギャップを同定するため、文献レビューが実施されている。この声明でICNIRPは、それに対処することで、電界および磁界への曝露制限についての更なるガイドラインの策定および勧告の改定を支援することになるであろう、研究におけるデータギャップを詳述することを意図している。この声明は、低周波についてのデータギャップに関連した科学をレビューした本文、ならびに、そのデータギャップを同定するために用いた手法を解説した付録の2つの部分で構成されている。
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