[28 GHzのダイポールアレイからの入射電力密度に対する皮膚温度の上昇] tech./dosim.

Skin Temperature Elevation for Incident Power Densities from Dipole Arrays at 28 GHz

掲載誌: IEEE Access 2020; 8: 26863-26871

この研究は、入射角が異なる28 GHz無線周波への近傍界ばく露による入射電力密度(IPD)と皮膚の温度上昇との関係を数値計算により評価した。ワイヤレス機器を特定の規格/規制に適合させるには、最大許容ばく露レベルの決定にはIPDの平均化方法が重要であるが、IPDのどの成分が温度上昇により関連しているかについては、依然として不確かである。4素子ダイポールアレイの場合、人体モデルとアンテナとの間隔は、電界及び磁界が横向きの偏波でそれぞれ15及び30 mmであり、8素子ダイポールアンテナの場合はアレイ中心から45 mmである。著者らは、4素子及び8素子ダイポールアンテナについての計算結果から、特に入射角がより小さい場合(<30°)、IPDの法線成分が入射角に関わらずに皮膚表面温度とより良い相関を示すことを確認した。偏光角の前後では温度上昇とIPDとの比率が高まり、これは主に身体表面での透過率の違いによることが確認された。最短距離での適合性を考慮すれば、アンテナと人体との距離は十分に大きいので、このばく露シナリオは生じないかも知れない。出力電力の面では、適合性に対する最大の制約条件は直角入射であることが示され、そのようなばく露シナリオに対する適合性の重要性が示唆された。更に、皮膚の温度上昇との関連をモニタするには吸収電力密度が適切な尺度であることが示された、と著者らは結論付けている。

ばく露