この研究は、携帯電話使用と甲状腺がんとの関連に対する遺伝的感受性を調べるため、米国コネティカット州で2010-2011年に人口集団ベースの症例対照研究(症例440人、ならびに176個のDNA遺伝子における823個の単塩基多型(SNP)についての遺伝子型判定情報を有する対照465人)を実施した。多変量無条件ロジスティック回帰モデルを用いて、各々のSNPと携帯電話使用との遺伝子型‐環境相互作用を推定し、SNPバリアントに従って集団内での携帯電話使用との関連を推定した。その結果、10個のSNPが甲状腺がん全体での相互作用のP値が<0.01であった。一般的な同型接合体グループでは、携帯電話使用との関連は認められなかった。バリアントグループ(ヘテロ接合体及び稀なホモ接合体)では、携帯電話使用はrs11070256(オッズ比(OR)= 2.36、95%信頼区間(CI)= 1.30-4.30)、rs1695147(OR = 2.52、95% CI = 1.30-4.90)、rs6732673(OR = 1.59、95% CI = 1.01-2.49)、rs396746(OR = 2.53、95% CI = 1.13-5.65、rs12204529(OR = 2.62、95% CI = 1.33-5.17)、及びrs3800537(OR = 2.64、95% CI = 1.30-5.36)について、甲状腺がんのリスク上昇と関連していた。小さいがんでは5個のSNP(rs1063639、rs1695147、rs11070256、rs12204529及びrs3800537)、大きいがんでは3個のSNP(rs11070256、rs1695147及びrs396746)についてリスク上昇が認められた。これらの結果は、遺伝的感受性は携帯電話使用と甲状腺がんのリスクとの関連を変化させることを示唆しており、無線周波(RF)放射には発がん性があるという更なる証拠を提示するものである、と著者らは結論付けている。
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