この研究は、国際的な分類システムを用いて、非熱的な中間周波(3-100 kHz:IFELF)、熱的な中間周波(100 kHz-10 MHz:IFRF)、無線周波(>10 MHz:RF)帯域をカバーする職業‐ばく露マトリクス(JEM)を構築することを目的とした。大規模な人口集団ベースの症例対照研究であるINTEROCC研究から詳細な職業データを収集し、国際標準職業分類1988年版(ISCO88)を用いて職業をコード化した。被験者の職業的情報源に基づく補助的情報を、既存のばく露マトリクス、及び国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の職業的ばく露に対する参考レベルと組合せ、電界及び磁界へのばく露レベルの推定値を計算した。また、ばく露される被験者の数を、職種ごとに利用可能な被験者の総数で除することで、ばく露確率の推定値を得た。その結果、36,011件の職歴を収集し、ISCO88コード(4桁)で468の職種をJEMに盛り込んだ。そのうち62.4%がRF、IFRF、及び/またはIFELFにばく露された。参考値として、RF電界についてのばく露確率は0.3-65%の範囲(中央値5.1%)、ばく露レベル(ICNIRPの参考レベルに対する二乗比)は6.94*10^-11から33.97の範囲(中央値0.61)であった。一部のコードについて入手可能なデータが少なかったことから、このJEMの妥当性は限定的であるものの、職業環境において高周波電磁界ばく露を評価する疫学研究及び労働衛生管理プログラムにとって有益であろう、と著者らは結論付けている。
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