この研究は、熱的損傷を生じるミリ波ばく露の結果としての眼の損傷の臨床経過を評価するため、40、75及び95 GHzの連続的なミリ波による眼の損傷のモデルを開発した。また、眼の損傷の入射電力密度への依存度も調べた。色素沈着したウサギの眼を、スポット焦点型レンズアンテナからの40、75及び95 GHzのミリ波にばく露した。その結果、ミリ波ばく露の10分後に、角膜の厚さの減少や透明度の低下を含む、眼の僅かな損傷が認められた。瞳孔領の周辺での拡散フルオレセイン染色では、角膜上皮の損傷が認められた。ミリ波ばく露の1日後のスリットランプ試験では、中央瞳孔帯に不透明な円形領域が認められた。角膜間質損傷の指標である角膜浮腫はミリ波ばく露の1日後にピークとなり、厚さは徐々に正常値まで低下した。ばく露の3日後、眼の状態はほぼ正常となったが、角膜の厚さはばく露前よりも僅かに厚かった。眼の損傷の50%発生確率(DD50)は、同じ入射電力密度では40 > 95 ≈ 75 GHzの順であった、と著者らは報告している。
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