この論文の著者らは、先行研究で高い環境中RF放射レベルが示されたスウェーデンのストックホルムの集合住宅において、RF空間分布の測定を実施した。広帯域分析器を用いたスポット測定の結果、屋内での電界の最大値は7階の寝室で3 V/m、屋外での最大値は8階のバルコニー(基地局アンテナと同じ高さで、アンテナからの距離は6.16 m)で6 V/mであった。比較として、ばく露が低い区画でも測定を実施したところ、屋内での最大値は基地局アンテナのある近隣住宅に直接面した角の窓辺で0.52 V/m、屋外での最大値は同じ近隣住宅に面したバルコニーで0.75 V/mであった。最小値は集合住宅の中心に近い区画で、内壁による遮へい効果が示された。携帯電話の受信感度はどちらの区画でも良好であったことから、受信感度を口実にしたリスクのある場所への基地局の設置は正当化できない、と著者らは主張している。
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