携帯電話からの電波ばく露と健康影響についての先行疫学研究の結果には一貫性がなく、これは統計的なばらつき、測定誤差、モデルの不確かさとうの各種の不確かさのせいかも知れない。モンテカルロシミュレーションとして知られる分析技法は、誤差の確率分布を用いてモデルのインプットにおける不確かさを扱うことで、分析のための更なるアプローチを提示するものである。この研究は、モデルのアウトプットにおける不確かさを定量化するため、ExPOSURE(無線周波デバイスを用いる学生における心理学的アウトカム試験)研究からのデータのモンテカルロシミュレーションを実施した。オーストラリアにおける小学校児童412人について、(2011-2013年の間に)約1年間隔で2回データを収集した。通話ばく露データにおける不確かさによるモデル中のアウトプットの不確かさを、モンテカルロシミュレーションを用いて推定した。多重線形回帰モデルで、携帯電話通話と認知機能との関連を評価した結果、関連の弱い証拠が認められた。先行研究での縦断的分析と同様に、実施/中止[Go/No Go]課題及びGroton迷路学習課題、ならびにStroop時間比率について関連が認められた。但し、不確かさ分析を導入すると、結果は帰無仮説により近付いた、と著者らは報告している。
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