研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電話産業に雇用されている婦人の職業的ながんによる死亡率] epidem.

Occupational cancer mortality among women employed in the telephone industry

掲載誌: J Occup Med 1994; 36 (11): 1204-1209

<目的>電話産業に従事する婦人のガンによる死亡のパターンを明らかにすること。 <方法>米国の国立ガン研究所(NCI)、職業安全健康研究所(NIOSH)及び国立健康統計センター(NCHS)は1984年から1989年まで24州の死亡登録を調べ、電話産業の職業婦人のガンによる死亡診断書を2444集めた。<結果>49歳以下の若い白人の婦人では、有意なガンのリスクの増加が以下のように見られた。直腸[3.3(1.2-8.7)]、結合組織[4.4(2.2-8.8)]、乳腺[1.6(1.3-1.6)]、子宮[3.3(1.5-7.5)]、卵巣[2.1(1.3-3.5)]、脳[2.1(1.2-3.7)]。30-39歳のグループについて見ると、結合組織のガンのリスクの増加は6倍近くになった[5.5(2.0-14.8)]。技術者、熟練者、事務作業者、電話交換手、機械工、修理工などの結合組織のガンのリスクがそれぞれ8.5,4.9,1.7,4.4であったことは、電話産業の近代化の技術が何らかの関連を持っていることを示唆している。これらの職業では、乳腺子宮卵巣、及び脳のガンのリスクも上昇した。これらの部位のガンについてのこの他のリスクファクターの情報はないので、社会経済的地位あるいはライフスタイルがこれらの相関、特に生殖システムとの関連を説明できるかもしれない。近代の電話産業に導入された新しい機器や機械あるいは生産過程なども、特に若い婦人について観察されているリスクの増加を説明できるかもしれないと著者は述べている。

ばく露

研究助成