この研究は、雄ラットの生殖能に対する4Gスマートフォンの無線周波(RF)電磁放射の影響を調べた。4Gスマートフォンを用いた陰嚢の局所ばく露モデルで、6時間/日(スマートフォンを通話モードに維持し、10分おきに1分間の外部からの着信に対応)ばく露した。その結果、150日間のばく露で、精子の質及び仔ラットの体重減少、ならびに精巣の損傷が認められた。但し、50日間及び100日間のばく露では、これらの悪影響の証拠は認められなかった。シーケンシング分析及びウェスタンブロットでは、150日間ばく露群の精巣におけるSpock3の過剰発現が示唆された。Spock3過剰発現を阻害すると、ばく露群の精子の質の低下は改善し、精巣の損傷及びBTB異常は軽減した。更に、RFばく露はMMP2活性を抑制する一方、MNP14-Spock3複合体の活性を上昇させ、MMP14-MMP2複合体の活性を低下させた。これらはSpock3抑制によって逆転した。4GスマートフォンのRF電磁放射への長期ばく露は、成獣ラットの精巣におけるSpock3-MMP2-BTB軸を直接的に混乱させることによって雄の生殖能を消失させる、と著者らは結論付けている。
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