この論文は、現在改定中の国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン、及び米国電気電子学会(IEEE)のC95.1規格における、外部電磁界強度と局所及び全身平均の比吸収率(SAR)との関連について検討している。これらのガイドライン/規格では、100 kHz超の周波数の電磁界ばく露による支配的な作用は熱作用である。それぞれ深部及び局所の体温上昇の代用指標である、全身平均及び10 g平均のSARが、ばく露評価の尺度として制定されている。実用的な適合性評価のため、SARの限度値に相当する外部の電磁界強度または入射電力密度も用いられている。これらのガイドライン/規格ではSAR限度値は同一であるが、中間周波数(100 kHz-100 MHz)の範囲では、外部の電磁界強度は7.4-12.9倍異なる。これらのガイドライン/規格は解剖学的人体モデルが利用可能になる以前に公表されあという事実のため、人体モデルを用いた計算によって、SARと外部電磁界強度との関連を見直すことには価値がある。結果の検証のため、異なる数値コードを用いた相互比較も実施した。その結果、この論文で検討している周波数範囲では、10 g平均SARは全身ばく露に対して、より制限の少ないファクターであることが示された。また、ICINRPガイドラインでは、SARと外部電磁界強度との関連はより保守的であるが、30 MHz以下ではIEEE規格との僅かな不一致があった、と著者らは報告している。
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