この研究は、835 MHz無線周波(RF)電磁界への4.0 W/kgのSARで5時間/日、12週間ばく露が、C57BL/6マウスの視床下部シナプス前ニューロンに影響するかどうかを調べた。その結果、RFばく露後に、視床下部シナプス前終末におけるシナプス小胞の数及びサイズが有意に減少した。更に、視床下部ニューロンにおけるシナプス前終末膜の活性領域におけるシナプス小胞の結合及び融合の密度(個/μm)が有意に低下した。ニューロンにおけるシナプス小胞の往来の制御因子である、シナプシンI/II及びシナプトタグミン1の視床下部での発現レベルも有意に低下した。これと並行して、カルシウムチャネルの発現が有意に低下した。活性領域のシナプス小胞におけるこれらの変化は、視床下部シナプス前終末での神経伝達物質の放出を直接的に減少させるかも知れないことから、著者らは更に、視床下部の機能において生じるかも知れない変化を、深部体温及び体重の測定、ならびに埋設ペレット試験によって調べた。その結果、シナプス小胞の往来はRF電磁界によって変化したが、有意な表現型の変化は認められなかった、と著者らは報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。