この研究は、フィンランドにおける悪性神経膠腫の形態及び部位ごとに発生傾向を分析した。2016年までの全国規模の人口集団ベースのフィンランドがん登録(FCR)に対する症例通知からの悪性神経膠腫の患者4730人、ならびに、さほど詳細でない3590人のデータを取得した。年齢で正規化した発生率(ASR)及び平均年変化率(APC)を、組織学的サブタイプ及び腫瘍部位ごとに計算した。その結果、神経膠腫の発生率は1990-2006年で10万人あたり7.7件、2007-2016年で10万人あたり7.3件であった。神経膠腫全体の発生数は両期間で安定しており、線形からの逸脱はなかった。年齢グループ別の分析では、80歳以上の年齢で発生数の増加が認められた(1990-2006年)。両期間中、神経膠芽腫の発生率は上昇し、不特定の脳腫瘍は低下した。1990-2006年に、未分化乏突起膠腫、乏突起星状細胞腫及び不特定の悪性神経膠腫の発生率は上昇したが、星状細胞腫は減少した。腫瘍部位については、前頭葉及び脳幹ならびに不特定の部位の腫瘍の発生が1990-2006年に増加したが、頭頂葉、大脳及び脳室では減少した。悪性神経膠腫全体では増加傾向は認められなかった、と著者らは結論付けている。
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