電磁界を含む環境因子へのばく露と小児白血病との関連についての研究では、居住地の移動性[転居頻度の意]が潜在的な交絡因子の一つとみなされている。この研究は、先行研究に基づく合成データセットを用いたハイブリッドシミュレーション研究を実施し、これを用いて、移動性による未調整の交絡因子の様々なシナリオに対する電磁界と小児白血病との関連の感度を、小児白血病の感染症病因論についての2つの主要な仮説の下で評価した。その後、この知見を用いて感度解析を実施し、カリフォルニア州電力線研究(CAPS)のデータセットにおいて測定されていない移動性による潜在的バイアスを経験的に相殺した。その結果、予想された通り、移動性とばく露及びアウトカム[小児白血病]との間に想定された関連が強いほど、潜在的バイアスは強かった。但し、先行研究で観察された[磁界ばく露と小児白血病との間の]関連性を完全に説明できるほどに十分に強いバイアスを生じたシナリオはなかった。住居の移動性による未調整の交絡は、小児白血病に対する電磁界ばく露の推定上の影響に対して何らかのインパクトを有するが、先行研究で観察されている概ね一貫するが未だ説明されていない関連性についての主たる説明にはなりそうにない、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。