この論文は、無線周波(RF)電磁界単独、及びマイトマイシンC(MMC)との組合せでのDNA損傷の誘発の際の、RFの変調及び帯域幅の影響力を、ヒトリンパ球で分析した。健康な提供者から採取した培養血を、1950 MHzにばく露し、連続波、W-CDMA(帯域幅4.5 MHz)、アダプティブホワイトGaussianノイズ(AWGN、帯域幅9 MHz)の信号を検討した。各信号について、0.15、0.3、0.6、1.25 W/kgの比吸収率(SAR)値を調べた。その結果、RF単独ばく露では、小核アッセイでDNA損傷は全く生じなかった。RFばく露後にMMC処理した場合、変調及び帯域幅に依存した影響が認められた。連続波ばく露はMMCで誘導したDNA損傷を変化させなかったが、0.3 W/kgのWCDMA、または0.15及び0.3 W/kgのAWGN信号をばく露した場合、DNA損傷を減少させた。これらの結果は、帯域幅と試料に吸収される電力と関連した、防護作用に対する変調の影響力を示すものである、と著者らは結論付けている。また、これがイン・ビボ研究で確認されれば、治療の副作用から細胞を防護するための変調RF信号を用いた医療応用が可能となる、としている。
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