この研究は、イスラエルにおける原発性の[転移性でない]脳腫瘍及び中枢神経系(CNS)の腫瘍の発生率の傾向を、携帯電話の普及率が劇的に増加した期間である1990-2015年について調べた。1990-2015年にイスラエルで診断された、原発性の脳腫瘍、CNS腫瘍及び頭蓋内腫瘍(リンパ腫を除く)の全ての症例を、国家がん登録データベースで同定し、挙動(悪性、良性/不明)及び組織学的タイプで分類した。年齢で標準化した男女別及び人口集団別(ユダヤ人、アラブ人)の年間発生率を計算し、年間パーセント変化率と95%信頼区間(CI)を計算した。その結果、26年間(1990-2015年)で、ユダヤ人女性における2008年までの、及びアラブ人男性における2001年まで悪性の神経膠腫を除いて、悪性の脳腫瘍、CNS腫瘍及び頭蓋内腫瘍の発生率に有意な変化は認められなかった(両サブグループではその後は横ばいであった)。良性/挙動不明の脳腫瘍、CNS腫瘍及び頭蓋内腫瘍の発生率は、2000年代半ばまでほとんどの集団で上昇した。これは主に髄膜腫の発生率の変化によるものであったが、その後は有意に低下(ユダヤ人)または安定した(アラブ人)。この知見は、イスラエルにおける携帯電話の使用パターンが、脳腫瘍、CNS腫瘍及び頭蓋内腫瘍の発生率の傾向に対し、認識できる効果を生じるという仮説と整合しない、と著者らは結論付けている。
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